今日の東京は曇りのち晴れ。
昨日の天気予報では一日曇りでしたから、少し変わったのかな?
秋の空は変わりやすいので、予報もしづらいですよね。
ワタクシ、晴れ間が好きなので嬉しかったですが、
気温がぐんぐん上がって、夏のような日和になったのはちょっとぐったり…はぅ。
今日は息子さんたちは学校へ、おうちにはワタクシひとり…。
フフフ…読書三昧じゃないですか~♪
ということで、ふとんにゴロンと横になりながら、
図書館から借りて積読していた本をのんびり読んでおりました。
最初に読んでいた本がこちら。
乗船していた船員16人が力を合わせて困難を乗り切り、
無事生還を果たした…という実話をまとめた本です。
(昔放映していたアニメ、南の島のフローネを思いだします…)
一度絶版となったそうですが、復刻を望む声に応えて再販されたのだそうです。
優しい文体で、内容も面白く、あっという間に読み終えてしまいました。
筆者の須川さんが学生であった頃、難破した船の船長だった方に話を伺い、
船長が当時のことを語り始める…そのようなストーリーです。
遭難して、皆で力を合わせて工夫していく…という展開も勿論面白いのですが、
本の中で目からウロコ…的なお話や知識、知恵がいっぱい語られていました。
その中から印象深い語り口を今日はご紹介したいと思います。
(少しネタばれのようなところもありますので、気になる方は4つ先の写真まで
飛ばしていただけましたら…)
まんいち、食料がなくなっても、魚をつってたべ、島にあがって清水をくめよう。
いよいよ水がなくなったら、この島々にたくさんいる、海がめの水を飲もう。海がめ
は、腹のなかに、1リットルから2リットルぐらいの、清水を持っているのだ。
⇒P25(へー、そうなんだ!海がめは真水を持っているとは…知りませんでした)
海の色は、おおよそのところ、1メートルぐらいのごく浅いところが、うすい褐色。
十尋、十五尋(18メートルから27メートル)ぐらいまでは、青みの多い緑色。
深さをますにつれて青みがとれて、二十尋(36メートル)以上の深さは緑色。
それ以上深くなると、こい緑色となり、三十尋(55メートル)以上では、藍色。
それからは黒っぽい色がましてくる。
⇒P56(船乗りならではの観察力ですね…確かに海ってそんな色をしています)
大波をしずめるために、油を流すことにした。
大しけのときなど、よく船から油を流す。それは、油が海面にひろがると、気ちがいの
ようにさわぎたっていた波も、おとなしくすがたをかえるのである・・・
むかしから世界各国の船の人は、油が波の勢いをよわめることを、よく知っている。
これは大しけで、めちゃめちゃにもてあそばれていた捕鯨船が、もうだめだ、と、
あきらめかけた時、急に、船の動き方がゆるやかになり、波がうちこんでこなくなった
ので、ふしぎに思ってあたりを見ると、死んだ鯨が、ちかくに流れていて、その鯨から
流れだした油で、波が静かになっていることがわかったことから、油が波をしずめる
のに、ききめがあるのを知るようになったのだ。
しかも油は、ほんのわずかでいいのだ。たった1滴の油でさえ、2メートル平方の海面
を静かにする。伝場船をおろすため、本船のまわりいちめんに、静かな海をつくるのに
は、1時間に、約0.5リットルの油を、ぽたり、ぽたり、と海に落としていればいい。
学者のいうところによると、その油は、どんどんひろがって、1ミリの200万分の1
という、想像もつかぬうすい膜となって、海面をおおい、波をしずめるのである。
⇒P73-74(そんなことがあるんですか!全く知りませんでした~驚きでした♪♪)
そのへんの珊瑚のかたまりと砂で、かまどをこしらえた。
このかまどで、海水をにたたて、塩けのない真水をとるのだが、蒸留水製造器は、
石油缶を3つかさねたものだ。
いちばん下の缶には海水を入れ、缶の上の方を切りひらいてある。
中の缶はからで、そこにあながあけてある。
いちばん上の缶には、海水をいっぱい入れてある。
これをかまどにかけて、下から火をたくと、いちばん下の石油缶の海水がにえたって
二階の空缶に水蒸気がたまる。その水蒸気は、三階の、海水入りの缶でひやされて、
水になり、ぽたぽた落ちて、二階の缶にたまる。
二階の缶は少しかたむけてあるので、たまった水は、水蒸気の通るあなから下の缶には
落ちないで、ほうきのえでつくった、くだから外へ流れだす。それを、おわんで受ける
のであった。
⇒P97(蒸留水の作り方でした!って、実際に無人島で考えるなんて…凄いです!)
鳥が人を攻撃する。といっては、少し大げさだが、夕方、一日の作業を終って、
さて一風呂と、太平洋という、大きな自然の風呂にひたっていると、海鳥が、頭を
つっつきに来て、あぶない。とがったくちばしで、ずぶり、やられてはたいへんだ。
この大風呂にはいっている間、足の方はふかの用心、頭は海鳥の用心をしなければ
ならなかった。
海鳥は、海面にういているものは、なんでも、たべられると思うらしい。航海中、
海に落ちた水夫が、たちまち、アホウドリの襲撃をうけて、ボートが助けに行くまで
に、あの大きなとがったくちばしで、頭にあなをあけられたり、殺されたりした話も
ある。
⇒P136(実はヒッチコックの「鳥」は、こんな話がヒントだったりして…)
「それでは、正覚坊(アオウミガメのことです)の牧場をこしらえよう」
海岸に棒杭をうちこんで、じょうぶな長い索(つな)で、正覚坊の足をしっかり
しばって、その索を棒杭に結びつけておいた。
かめは、索の長さだけ、自由におよぎまわって、かってにえさをたべ、時には砂浜に
はいあがって、甲羅をほしている。毎日見まわっては、索のすれをしらべ、索がすり
切れて、にげて行かないようにした・・・
ついに、三十何頭かになって、すばらしいかめの大牧場が、二か所もできた。
そして、「かめの当番」をきめた。これは、毎日かめの牧場を見まわり、かめの世話
をする、かめの監督さんだ。かめをとらえてから日数の多くなったもの、すなわち、
古いものから、たべることにした・・・
正覚坊のことを、一名アオウミガメというのは、暗緑色で、暗黄色の斑点があるからで
大きさも、形もよくにた海がめにアカウミガメというのがある。これは、からだが、
うすい代赭色(たいしゃいろ)で、甲は褐色であるからだ。アカウミガメの肉は、
においがあって、食用にならない。肉ににおいのあるかめは肉食をして、魚をたべて
いるかめで、正覚坊は海藻をたべているから、においがないのだ。
⇒P138-140(海がめの牧場を作るという話からです。人もお肉ばかり食べて
いると体臭がキツくなったりしますが、かめも同じなんだなぁ~と思いました)
夕暮れとなって、太陽が水平線にしずむと、西の空にうかぶ雲は、レモン色の美しさ、
それが煉瓦色になり、やがて紅色に、だんだんと鉄色の夕やみになってしまった。
西の空も水平線が黒くなると、星が青く赤く、鏡の海にかげをうつしはじめた。
水平線に近く、ひくいところに光る北極星をめあてに東の方角をきめて、漕ぎつづけた
この星をたよりに、われらの小さな島を、夜の海に、さがさなくてはならないのだ。
⇒P151(素敵な景色なのでしょうね…一度見てみたいです!!)
木船だと、またこの上に、船食虫(ふなくいむし)という虫が、船底の木板を食って
小さなあなをあけ、その中に住むようになる。そして、船底いちめんにあなをあけて
蜂のすか、海綿のようにしてしまう。これは、おそろしいことで、船の中へ海水が
はいってくるばかりか、あらしのとき、荒波とたたかっていた船が、虫食のために
船底がこわれて、沈没したこともある。むかし西洋で、軍船が木船であった時代には
「敵の大砲の弾丸よりも、船食虫の方がおそろしい」とさえ、いわれたのだ・・・
浅野研修生は、立って質問した。
「鉄の板で、木船の船底をつつんでは、いけませんか」
「それもいい。だが、船が重くなる。船食虫はふせげるが、海藻や貝はたくさんつく。
そして、銅のように、しぜんにはげて落ちない。だから、鉄や鋼の船も、これには
こまっている。ときどき造船所のドックに船を入れて、船底についたものを、きれい
にかき落して、鉄のさびないペンキと、海藻や貝をふせぐ、とくべつのペンキをぬる
のだ。鉄船や鋼船の底が赤いのは、このペンキがぬってあるからだ」
P159-161(なるほど!と思わず、手を叩きました。船底に見える、あの独特の
ペンキの色はそのような意味があったのですね…奥が深いです…)
海には、どす黒い、生きた大きな海綿がいる。それをたくさんとってきて、浜の砂を
ほってうずめておいた。こうしておくと、海綿の虫が死ぬのだ。
一方、炊事場のかまどの灰をかきあつめて桶に入れ、井戸水をいれて、黄色のあくを
こしらえた。海綿は、2日間砂にうずめておいてからほり出して、日光にさらし、
それからあくでよく洗ったら、オレンジ色のりっぱな海綿ができた。
このたくさんの、きれいな海綿を、砂の上にならべて海水をかけ、半がわきになると
また海水をかけ、何度もくりかえすと、しまいにこい塩分をふくむようになる。
それを、石油缶にいれた海水の中で、よくもみ出して、しぼり出し、その水を煮つめ
たら、少しのたきぎで、かなりの塩ができた。
⇒P166(塩の作り方でした!考え出した方は凄い発想力ですね…まさに生きる知恵♪)
鯨のふく息は、1回6秒ぐらいで、10分間に6,7回はふきあげる。
水煙がとくべつにこくって、10秒ぐらいも長くふきあげるのは、深くしずむまえだ。
鯨が肺の中の空気を、ほとんど出してしまうからだ。
ふく水煙の高さは、10メートルいじょうのこともある。まっすぐにふきあがって、
先の方が二つにわれるのは、せみ鯨。太く一本ふきあげるのは、ざとう鯨。一本で
細く高くあがるのが、しろながす鯨。それよりみじかいのが、ながす鯨。いちばん
ひくいいぶき、それでも4メートルぐらいのが、いわし鯨。前の方に45度ぐらいの
角度でふくのが、まっこう鯨だ。
⇒P188(鯨の潮吹きはこんなに細かな違いがあるのですね…なぜなのか不思議です)
ほかにもいろいろ面白い場面や、「ほほぉ~う」と思わず頷いてしまうようなお話が
いっぱい紹介されていますが、全部ご紹介するわけにもいかず…
もしご興味のある方は図書館にも置いてあると思いますので、一度いかがですか?
ご紹介しました文章のとおり、とても平易に書かれていますので、一冊あっという間に
読み終えてしまいますよ~😊
最後にP176より、もう一文、ご紹介したいと思います。
島だけでなく、日々の暮らしでも役立つ考え方ではないかなぁ~と、ふと思いました♪
われわれが、この無人島にいた間、さびしかっただろう、たいくつしただろう、と思う
人もあるだろう。どうして、どうして、そんなことはなかった。
空にうかぶ雲でさえ、手をかえ品をかえて、われらをなぐさめてくれた。雲は、朝夕、
日にはえて、美しい色をつぎつぎに見せてくれた。とりわけ、入道雲はおもしろく、
見あきることがなかった。
雲の峯は、いろいろにすがたをかえた。妙義山となり、金剛山となった。それが
たちまち、だるまさんとなり、大仏さんとなった。ある時は、まっ黒いぼたんの花の
かたまりのような雲が、みるみる横にひろがって、それが、兵隊さんがかけ足をする
ように、島の方に進んでくると、沖の方にはもう雨を降らし、うす墨の幕がたれさが
っている。その雨の幕が、風といっしょに島におしよせて、いい飲み水を落してくれる
のだ。
みんなは、このように、大自然と親しみ、じぶんたちのまわりのものを、なんでも
友だちとしていた。
ものごとは、まったく考えかた一つだ。はてしもない海と、高い空にとりかこまれた、
けし粒のような小島の生活も、心のもちかたで、愉快にもなり、また心細くもなるのだ
面白い本に出会えて、良かったです。
(この本、図書館でワタクシのあと、予約が19件入っております…返却期限に
きちんと返さないといけませんね!)
ベランダでぼぉ~としながら、野田さんのこちらのエッセー集を読んでおりました。
野田さんはカヌーイストとして有名なお方(ご存じの方もいらっしゃるかも…)。
カナダや北極圏を愛犬と一緒にカヌーで下ったり…千葉県の亀山湖畔で暮らしたり…
現在は徳島県の日和佐川沿いを拠点となされているとか。
以前「日本の川を旅する(新潮文庫)」という野田さんの本にハマって以来、
ぼぉ~としたいときに時々野田さんの本をめくっております。
こちらの本も気さくなエッセイ…今日もベランダでふわっと読んでおりました。
↓小さな旅の記事はこちらからどうぞ♪♪
ピリリと辛い野田節が炸裂するくだりも…
「一国を滅ぼすのに、若い世代に危険を冒すことは馬鹿げていると教えこむくらい
手っとり早い方法はない ~ディック・フランシス」
「遊びをせんとや生れけむ 戯(たわむ)れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそ動かるれ ~梁塵秘抄」
ちょっと懐かしいフレーズが紹介されていました。
あ、酔ってきました…もうダメ!ふとんへ移動しよう!!
ふとんに入ったら、速攻で寝てしまったようです。
ハッと気づいたら外は真っ暗…。
あー良く寝ました。
たまにこんな休みもいいかもしれませんね。
(今週は出張もあったし、夜が遅い日も多かったからなぁ~)
頭がぼぉ~として、記事を書き始めたのは夜遅くからになりました。
久しぶりの日が替わってからのアップですね!!
今日はふとんで本を読んだり、ぐーぐー寝たり…のんびり充電した土曜日でした。
ではでは!
最後までご覧いただいてありがとうございます! お礼申し上げます!!