今年も暑い夏がやって来ました。
四季の国、ニッポン。季節が巡って来るのは嬉しいですが、
今年はちと暑すぎるかな…。
どこか遠くに出かけたいですが、この暑さ…さすがにおうちに籠り気味です。
外に出ると灼熱…もう少し涼しくなってくれたら出かけやすいのに…。
はい、こんなときはお出かけ代わりに旅の思い出に浸るのも良いかも♪
以前、奈良県から和歌山県へと万葉集の故地を訪ねた旅をご紹介しました。
今回はその続き…大阪府から県境を越える古道、暗峠越えを通って、奈良県へと
巡った旅をご紹介したいと思います。
(暗峠は万葉の頃より奈良県から大阪府へと抜けるルートのひとつだったのです。
以前より歩いてみたかった古道でした)
早朝、生駒山地の麓の枚岡(ひらおか)神社から暗峠を越えて奈良県へ。
平群町にある長屋王のお墓に寄った後、最後に京都北白川にあるワタクシの
大好きな不動温泉を訪ねた旅をご紹介したいと思います。
(歩いた後の温泉は気持ちいいですから…ワタクシの好きなパターンであります♪)
歩くときは早朝出発が基本!こちらは大阪メトロなんば駅。始発電車で向かいます。
関西の駅のメロディー、大好きなんですよね…。
まず向かったのは駅から歩いてすぐのところにある枚岡神社。
いきなり階段がキツくて、この後の峠越えを暗示させてくれます…。
大きな鳥居さんがありました。早朝でしたが、参拝される方が多かったです。
こちらは二の鳥居。では一の鳥居は…というと、もっと西、麓の街なかにあります。
枚岡神社を紹介する案内看板が…河内国の一之宮さん、古社ですねー。
創始はなんと皇紀前!めちゃめちゃ古い歴史をお持ちです。
(神武天皇の御東征という表記が…凄いです…)
本殿が見えてきました。まだ早朝、靄が辺りに広がっていて、厳かな雰囲気でした。
こちらの階段を登ると本殿です。境内は傾斜地を上手く活かした配置となっています。
立派なしめ縄さんが飾られていました。
(枚岡神社さんも元春日…元春日と呼ばれるお社さん特有のしめ縄でしょうか…)
本殿に到着。早速お参りいたしました。
朝の散歩も兼ねて、お参りされる方が多かったです。
朝の参拝は気持ちいいですよね。気持ちがスッと引き締まる思いがいたします。
枚岡神社さんのHPはこちらです。よろしければご覧ください…。
さぁ、それでは暗峠へと向かいましょう。
枚岡神社を出て、道を北へ…国道308号線との合流地点へと向かいます。
暗峠へは国道308号線をひたすら登っていくことになります。
山際の道を進んでいきます。ふと西を見ると、大阪平野が一望できました。
既に相当登って来ていたのですね…。
国道308号線に合流しました。こちらの道を登っていきます。
えっ?これが国道…そう思われますよね。
大阪方面を振り返って…国道308号線は、峠越えの酷道として有名であります♪
ここからひたすら登り道…さぁ少しストレッチしてから登ってまいりましょう!
暗峠越えは、暗峠奈良街道とも呼ばれています。案内看板は折々にきちんと設置して
いますので、道に迷うことはありません。
傾斜いきなり急になります。来た道を振り返って一枚パシャリ♪
基本、この丸い滑り止めがある道を進んでいきます。
たまに車が登ってきます。よく来るなぁ…。
しばらく進むと、右手に観音寺が見えてきました。お住まいの方は車で登り降りされる
のでしょうか…運転大変なのではないかしら…(まぁ慣れておられるのかな…)。
掲示板に落合さんのお言葉が。マネは真似(まね)ぶ…学ぶに通じるのだとか…。
ひたすら登っていきます。道は狭くて急であります。
振り返って撮影…凄い勾配です。
そう言えば、麓で「車で無理に峠へ行かないでください…」という案内看板を見かけた
ような…(写真に撮るのを忘れましたー♪)。
先を歩いている方がいました。バイクにも人気ですが、歩いて峠越えする人も多いとか
流石のかもしか足のワタクシも時折休憩しないと無理でしたー!
(まだ早朝なのに、汗めっちゃ出るー!!)
もしも車同士で出会ったら、どうするのでしょうか…。
キュキュキュとつづら折りのカーブが続き…ついに暗峠越えの最大の難所といわれる…
最大傾斜37度の曲がり道に到達しました。車のタイヤ跡が凄いです。
車で通過しようとしてエンストすることもあるそうな…。
⇒こんなところにJAFなんて呼べない!
ずっと登りで大変なのですが、ここは写真以上に厳しい坂道でありました。
でも一度訪ねてみたかった場所だったのです~歩くの結構楽しい…😊
(しばし立ち止まって、この坂道を眺めておりました…)
更に坂道を進むと水飲み場に到着。弘法の水と呼ばれています。
昔はここでひと息ついた方も多かったのでしょうね。
(今は衛生上、生水は飲まないよう推奨されているとか…時代ですな♪)
暗峠までもう少しです。振り返って…このような道をひたすら登ってきました。
視界が開けてきました。
ここが分かれ道です。左側の道を登ってきました。
知る人ぞ知る分かれ道。国道308号線は左へと向かいます。
道ホント狭い…酷道ですわー。
右の道は地元の方向けの道路のようですね(間違って入っちゃダメですな)
棚田が美しい季節になりました。夜に訪ねると星がきれいかも…♪
暗峠を紹介する案内看板がありました。
万葉の頃より、暗峠越えは奈良県から大阪府へ抜ける道として利用されてきました。
生駒山地を越える道の他、今の王寺から大和川沿いに柏原方面へと抜ける龍田越えの
道もよく利用されたそうです。
江戸時代にも脇街道として、多くの陣屋、建物が軒を連ねていました。
まもなく峠に到着です。
来た道を振り返って…ここまでよく歩いて来たなぁ~。
こちらが県境、暗峠に到着しました。昔の雰囲気そのままですね…。
枚岡神社から急坂をひたすら登って…足もうパンパンです♪
記念にもう一枚♪(めったに来れないので…フフ)この石畳は江戸時代のものだとか…。
峠の茶屋として有名なすえひろさん。早朝なので勿論営業していませんでした。
生駒スカイラインのトンネルをくぐると、視界が開けました(奈良方面が一望!)
来た道を振り返って…上の道路が生駒スカイラインです。
麓まで降りるのはしんどいのでコミュニティバスを利用することにしました。
時刻表が埋め込まれていました。暗峠7時25分発のバスに乗って南生駒駅まで
向かいます(一日4便しかないので時刻は確認した方がよいと思います)。
暗峠の標高は455m。最近はハイキングコースとしても人気なんだそうです。
国道308号線は日本の道100選にも選ばれております。
「妹(いも)がりと 馬に鞍置きて 生駒山 うち越え来れば 紅葉散りつつ」
作者未詳の万葉集の歌です。
鞍がひっくり返ってしまうほど急な峠だから暗(鞍返り)峠という名になった
という説もあるそうな…(まぁ都市伝説かもしれませんが…♪)。
なかなか楽しい道でありました。今度は奈良県側から登ってみたいですね…。
もう汗だっくり。服を脱いで上半身裸でバスを待っていました!
奈良方面は晴れると絶景ですね…思い切って訪ねて良かったです。
奈良県側は美しい棚田が続いていました。バスが来るまでぼぉーと眺めておりました。
やがて小さなマイクロバスが麓から登って来ました。
乗客はワタクシひとりです♪「出発しますー」と運転手さん。
峠の集落を振り返って…本日はありがとうございました!
バスはどんどん山を下っていきます。秋の棚田もきれいなんだろうなぁ~。
この辺り、車がないと暮らすのに不便でしょうね…。
こちらは王寺方面。晴れていい眺めでした。車窓を食い入るように見つめるワタクシ…♪
奈良県側も道は狭くて急でした。コミュニティバスですので、途中あちらこちらと
曲がって、いくつか集落に寄っていきました(それもまた楽しいですね…)。
生駒山のパラボラアンテナが見えました。整然と並んでおられて…♪
麓まで降りてきました。
南生駒駅でバスの運転手さんとお別れ。道中いろいろお話をお伺いすることができて
楽しかったです。一期一会…いいですね。ありがとうございました。
途中、東山駅で電車の行き違いのときの一枚。
写真をズームアップ!あの窪んだあたりが暗峠かな…。
平群駅に到着!ここでも電車の行き違え…近鉄電車のワインレッド色も結構好きです。
平群駅周辺の案内看板がありました。目指すは長屋王墓とお后の吉備内親王墓です。
平群駅から歩いて10分ほどのところにあります。前々から訪ねてみたいと思って
いました。
しばらく歩いて、長屋王のお墓に到着!早速お参りさせていただきました。
住宅街の中に、何事もなかったようにお墓があります(不思議な光景でした)。
お墓の隣りには小さな御陵公園がありました。
長屋王を紹介する案内看板もありました。
藤原4兄弟によって、長屋王は謀反の疑いをかけられ、自害することとなります。
皇親中心の政治から藤原氏による側近政治への転換となった事件とも言われていますが
皇位継承とも絡んで…実際のところはどのような背景があったのでしょうか…。
(史書は勝者側から見た歴史であることも多いので、本当のところはタイムマシーンに
乗ってその時代を訪ねてみないとわからないかも…あ、ひとりごとです♪)
以前読んだ馳星周さんの小説「四神の旗」では、藤原4兄弟と長屋王との暗闘が上手く
描かれていて面白かったです。奈良時代はホントどろどろとしたお話が多ぅござい
ますなぁ…。
壬申の乱で活躍した高市皇子の嫡子として、また皇位継承者としても有力な皇族で
あったことからも政治的になかなか難しい立ち位置だったことでしょう。
天武天皇皇孫長屋王の墓碑。ワタクシの心の内へ静かに語りかけてくるかのよう…
「今日は訪ねてくれてありがとう。あなたはあなたの人生を楽しみなさい…」と。
(本日はありがとうございました!)
内親王のお墓も住宅街の中に、静かに佇んでおられました。
振り返ると、遠くに二上山が見えました。
吉備内親王は草壁皇子(岡宮天皇)と元明天皇のお子。長屋王の変の際、長屋王と共に
自害し、生駒山へ葬られたといわれています。
そう言えば、父君の草壁皇子は二上山の更に南東、飛鳥の地に眠っておられるのです
よね。遠く見つめた先に…お父さんとお話しされたりするのかな…。
ふと、どうして長屋王の隣りに内親王のお墓を置かなかったのだろう…と思いました。
(仲が悪かったわけでもないでしょうに…あ、それとも墓の土地がなかっただけかな?
まぁ通りすがりのひとり言ではありますが…)
岡宮天皇皇女吉備内親王の墓碑。「今日は訪ねていただいてありがとう。私たちは色々
あったけれど…あなたはあなたの人生をどうか楽しんでください…」と…そのような声が
聴こえたような気がしました。
ワタクシの勝手な想像かもしれませんが、受け止めましたよー♪
さぁ駅へ戻りますか。何やらお花を栽培している様子…何のお花だろう?
振り返って吉備内親王のお墓を望んで…今日はありがとうございました!
実は当初、こちらを訪ねる予定ではありませんでした。
暗峠でバスに間に合えば、訪ねる時間ができるかも…と思っていたのですが
まさか始発のバスに間に合うとは思っていなかったので、ちょっと嬉しい誤算でした。
現地に足を運んで、当時に思いを馳せるのもなかなか良いものだなぁ…としみじみ
想いました。
(関西の史跡・故地は街なかに当たり前のようにあって、現風景に溶け込んでいるもの
が多いことに感動します♪)
いやぁ…さすがに足が攣りそうです。駅の手前で足の太ももにピキッと知らせが…。
(アブナイ、アブナイ…最後の目的地、京都北白川の不動温泉へ向かうことといたし
ましょう…足をほぐさねば!)
平群駅から再び近鉄生駒線に…王寺駅へと向かうと右手に信貴山が見えてきました
戦国時代の梟雄、松永久秀公の居城…昔登ったなぁ~。立派な山容であります。
京阪電車の特急に乗りたかったので、京橋まで戻って、いざ京へ!
先頭車両からの眺めは抜群であります(鉄ちゃんだ…)。
三条駅に到着!外に出てバスを待つ間、三条大橋界隈を散歩しました。
鴨川の眺め、大好きです。何だかホッとします(何故かしら?)。
京阪三条駅からバスで20分ほど乗って、地蔵谷バス停で下車しました。
目の前に不動温泉の渋ーい建物が見えてきます。
(左手前の建物は別の温泉宿ですので、お気を付けくださいまし)
こちらが不動温泉。レトロな昭和感抜群の建物です。さぁ、まいりましょう!
(ワタクシ、もうクタクタです…♪)
不動温泉さん、何度も訪ねているワタクシの大好きな温泉です。
京都には珍しいラジウム泉、勿論源泉かけ流しです。
1300円を払えば、一日中大広間でごろごろすることができます。
営業時間は朝10時から夜7時まで。
元気なおかみさんがお水orお茶と枕、毛布を持ってきてくれます。
だんなさんが作る料理も本格的でなかなかのお味…風呂上がりのビールにも合います!
不動温泉さんは初回の旅の思い出でご紹介したことがあります。大阪で仕事をして
いたとき、偶然見つけた温泉さんでありました(よろしければご覧ください…)
⇒ワタクシのブログのアイコンは不動温泉さんの湯舟なんですよー♪
本日も湯舟にゆったり浸かって…足も揉んで、疲れがさぁーと流れていきます。
風呂上がりは瓶ビールを…そしてお腹すいたー!ということで、寄せ鍋定食を
注文いたしました。ダシが濃厚…具材もいっぱい!美味しかったです♪
その後はウトウト…今日は早朝から良く動きましたし…。
動くこと、休むこと、メリハリも大事ですよね~。大広間でのんびりゆっくり休むこと
ができました。
さぁ、東京に帰るとしますか…元気なおかみさんに「また来ますわ」と告げて
笑顔でお別れしました。
(「またお待ちしてますー」と笑顔でお見送りしてくれました。不動温泉さんは
余計な干渉もなく(ほったらかし♪)のんびりくつろげる温泉なのです)
地蔵谷バス停で戻りのバスを待ちました。また来たいな…。
三条駅からは地下鉄を乗り継いで京都駅へ。新幹線ホームで関西限定発売の牛乳22%
のカフェオレさんをゲット!西はいいですね…子供の頃に暮らしていたからもしれませ
んがたまに訪ねると何だかホッとします。
温泉の心地よさが残っていたのか、帰りの新幹線は爆睡でした。
これまで間を置いて三回に渡ってご紹介しました奈良・和歌山・大阪の万葉集の故地を
巡る旅は今回でおしまいとなります。
本日も写真の点数が多かったですが、最後までご覧いただきありがとうございました。
旅はいいですね…ウェブで旅するのもいいですが、自ら実際に足を運んで体感する…
自然や人との出会いと感動に感謝ですねー♪
また機会がありましたら、旅の思い出をご紹介したいと思います。
今日は旅の思い出のご紹介…万葉集の故地を訪ねた旅を振り返った一日となりました。
ではでは!
最後までご覧いただいてありがとうございます! お礼申し上げます!!